−おわり−









−補足−


杉山君は大野君を笑顔で送り出すけれど、転校直前も転校後も
必ずひとりで泣いていると思うんです。だから転校当日の あの笑顔は
かなり無理して作ったものなんじゃないかなと思っています。

大野君を笑顔で送り出せたはいいけど、心のモヤモヤは晴れません。
明日から大野君は自分の隣りにいないわけで、もちろんそんなこと
杉山君にとっては初めてで…、そしてその状態がこれからずっと続くんです。
学童期真っ只中の3年生が、隣の席・遊び仲間・登下校友達である
大好きな親友と離れ離れになって寂しくないはずがありません。

そこで!クラスメイトと共に大野君を見送った後、公園などでボーッと
立ちすくむ杉山君のもとに、かよちゃんが現れたらいいなと思うんです。
杉山君のことを誰よりもたくさん見てて たくさん愛してるかよちゃんだから、
その瞬間の杉山くんの気持ちを痛いほど分かってあげられると思います。
そして本来なら杉山君が見せるはずだった涙を、代わりに流してあげるんです。
それを見た杉山君は、「なんだ…泣いてもいいんだ…。大野がいなくなるのは
涙が出るほど寂しいことなんだ」、と再認識して、思わず涙腺がゆるみます。

さらに、かよちゃんも泣いてくれたことで、大野君がいなくなって寂しい
思いをしているのは自分だけじゃないということが分かってホッとします。
大野君の転校を何もなかったかのように すぐに忘れてしまうのではなく、
こうやって一緒に悲しんでくれる人がいる…それはすごく大切なことだと思います。
やっぱり大野君は なくてはならない存在だったんだ…と改めて思わされて、
でももう手遅れで…。色々考えた末、弱い部分がポロッと出てしまいます。

――― そんな展開が素敵だなぁと思ってマンガにしてみました。
杉山君を存分に泣かせてあげてほしいんです。きっと彼は、これから先 自分の
感情を押し殺して生きていくと思うんです…。そんな運命、3年生に背負わせるには
過酷すぎると思います。だから誰かが救ってあげないとダメなんです。


大野君の転校話については、語りだすと止まらない上に涙もセットでついて
くるので、このあたりで止めておきます。放っておくと何時間でも語ります、


泣きながら!





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